クラスパスの設定方法を説明します。クラスパスは、作成したプロジェクト毎にeclipse 上で設定
します。なお、eclipse で用いられるクラスパスはOS の環境変数「CLASSPATH」とは関係ありま
せん。
ここでは以下の2 つの場合における設定方法を説明します。
① 新規プロジェクト作成時のクラスパス設定
② 既存プロジェクトのクラスパス設定
新規プロジェクト作成時のクラスパス設定
新規Java プロジェクトの作成方法を説明します。
[ファイル]-[新規]-[プロジェクト]を選択して、[Java プロジェクト]を選択して[次へ]ボタンをクリックします。

[プロジェクト名]を入力し、[次へ]ボタンをクリックします。

[ライブラリー]タブを選択します。ここにライブラリーを登録することで、クラスパスの設定が可能です。デフォルトでは、JRE のシステム・ライブラリーが登録されています。

ここで新たに以下のものが追加可能です。
① 内部JARファイル(ワークベンチ※1に存在するJARファイル)
② 外部JAR ファイル(ファイルシステムに存在するJAR ファイル)
③ クラスパス変数※2
④ JRE システム・ライブラリー、ユーザー・ライブラリー(「3.3.5 JAR ファイルのグループ化(ユ
ーザー・ライブラリー)」参照)のような事前定義ライブラリー
⑤ クラス・ファイルを含むフォルダー
①~⑤は、それぞれ[JAR の追加]、[外部JAR の追加]、[変数の追加]、[ライブラリーの追加]、[クラス・フォルダーの追加]で追加できます。
例として、ファイルシステムにあるJAR ファイルをクラスパスに登録する方法を説明します。
「C:¥usr¥local¥lib」の下に「log4j.jar」があることを前提とし、これを登録する方法を以下に示
します。
[外部JAR の追加]ボタンをクリックして、上記の「log4j.jar」ファイルを選択すると、以下のように追加されます。

注※1 ワークベンチとは、eclipseのデスクトップ開発環境のことです。ワークベンチに存在するJARファイルとは、eclipse上で定義されたプロジェクト配下に格納されたJARファイルのことを示します。
注※2 クラスパス変数とは、クラスパスを定義する変数のことです。クラスパスでは、ワークベンチごとに保存することができ、複数のプロジェクトで共用することが可能です。 |
既存プロジェクトのクラスパス設定
既存のプロジェクトのクラスパス設定を変更する場合の説明をします。
「パッケージ・エクスプローラー」ビューでプロジェクトを選択し、右クリックのメニューより[プロパティー]を選択してください。

ダイアログにて[Java のビルド・パス]を選択します。以降は「 新規プロジェクト作成時のク
ラスパス設定」と同様です。

JAR ファイルへのソース添付
クラスパスに設定したJAR ファイルにソースを添付することができます。JAR ファイルにソースを添付することで、JAR に含まれるクラスをソースレベルでトレースすることが可能になり、デバッグ時の利便性が向上します。ソース添付後の参照方法は4
章を参照してください。以下に添付方法を説明します。
「パッケージ・エクスプローラー」ビューでソースを添付するJAR ファイルを右クリックし、メニューより[プロパティー]を選択します。表示されたダイアログの左ペインで[Java
ソースの添付]を選択すると、Fig. 3-23 のウィンドウが表示されます。ここで、[ロケーション・パス]に、ソースを含むJAR ファイルまたはZIP
ファイルへのフルパスを指定して、[OK]ボタンをクリックします。

JAR ファイルへのJavadoc 添付
クラスパスに設定したJAR ファイルにJavadoc を添付することができます。Javadoc を添付すると、コーディング時に容易にJavadoc
を参照することができます。参照方法は4 章を参照してください。
「パッケージ・エクスプローラー」ビューでJavadoc を添付するJAR ファイルを右クリックし、メニューから[プロパティー]を選択します。ダイアログの左ペインで[Javadoc
ロケーション]を選択すると、Fig. 3-24 のウィンドウが表示されます。ここで、[Javadoc ロケーション・パス]にJavadocのURL
を指定して[OK]ボタンをクリックします。
有効なURL は、API ドキュメンテーションの「index.html」および「package-list」ファイルを含むフォルダーを指すURL
です。
例) file:///C:/j2sdk1.5.0_07/docs/ja/api/
http://java.sun.com/j2se/1.5.0/docs/api/

(クリックすると拡大します。)
JAR ファイルのグループ化(ユーザー・ライブラリー)
複数のJAR ファイルをグループ化して1 つの「ユーザー・ライブラリー」にまとめることができます。「ユーザー・ライブラリー」を作成しておくことで、プロジェクトのクラスパスを設定する際、1
つのユーザー・ライブラリーをクラスパスに設定することで、複数のJAR ファイルを一度に設定できます。
ユーザー・ライブラリーの設定は、メニューの[ウィンドウ]-[設定] を選択し、設定画面の左ペインより[Java]-[ビルド・パス]-[ユーザー・ライブラリー]を選択します。
[新規]ボタンをクリックし、「新規ユーザー・ライブラリー」画面を開きます。

「新規ユーザー・ライブラリー」画面にて、[ユーザー・ライブラリー名]に名前を指定して[OK]
ボタンをクリックします。

指定したユーザー・ライブラリーが登録されます。次に、[JAR の追加]ボタンをクリックし、作成したユーザー・ライブラリーに登録したいJAR ファイルを追加します。同一フォルダに存在する複数のjar
を追加する場合は、「JAR の選択」画面で、JAR ファイルを複数まとめて選択し、[開く]ボタンをクリックします。

図 : 同一フォルダ上の複数のJAR をまとめて選択 |

JavaDoc、ソースを追加する場合は、対象のJAR ファイルの「Javadoc ロケーション」、「ソース添付」を選択し[編集]ボタンをクリック、または直接ダブルクリックすることで設定できます。設定方法は、「
JAR ファイルへのソース添付」、「JAR ファイルへのJavadoc 添付」と同様です。

(クリックすると拡大します。)
作成したユーザー・ライブラリーをプロジェクトへ設定する方法は、「新規プロジェクト作成時のクラスパス設定」を参照してください。
ライブラリーに対するアクセス規則の設定
プロジェクト毎に、ライブラリーに対してアクセス規則を設定することができます。アクセス規則を設定することで、開発中にライブラリーの使用状況を監視し、使用した場合に「Java
エディタ」や「問題」ビューに、エラーまたは警告として表示することができます。
アクセス規則を設定するには、プロジェクトのプロパティー画面の左ペインより、[Java のビルド・パス]を開き、[ライブラリー]タブを選択します。

ライブラリーのツリー内にある「アクセス規則」を選択し、[編集]ボタンをクリック、または直接ダブルクリックします。

「型のアクセス規則」画面で、[追加]ボタンをクリックします。

「アクセス規則の追加」画面にて、[解決]と[規則パターン]を入力し、[OK]ボタンをクリックします。規則パターンはワイルドカードを利用して設定することができます。例えば、java.util
パッケージに対するアクセスを禁止したい場合は、[解決]には「禁止」、[規則パターン]には「java/util/**」を設定します。

「型のアクセス規則」画面にアクセス規則が追加されます。設定確認後[OK]ボタンをクリックします。

「Java のビルド・パス」画面に、登録されたアクセス規則が表示されます。確認後、[OK]ボタンをクリックし、設定を反映させます。
図 : アクセス規則を追加したプロジェクトのプロパティー画面 |

設定後は、「Java」ビューや「問題」ビュー等で、アクセス規則に違反した部分が表示されます。

(クリックすると拡大します。)
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